高齢者問題の一つである「成年後見の申し立て」。
代表的な疑問・悩みについて、Q&A形式でご説明致します。
成年後見人などを選んでもらうにはどうしたらよいでしょうか?
本人の住所地にある家庭裁判所に申し立てます。申し立ての際、申立書や戸籍謄本などの添付書類とともに、1万円程度の費用が必要です。
誰でも申し立てることができるのですか?
申し立てられるのは本人、配偶者、4親等内の親族です。配偶者とは本人の妻や夫のことです。4親等内の親族とは本人の子、孫、父母、祖父母、兄弟姉妹などで、いとこ、ひ孫の子や甥、姪の子までが含まれます。それ以外に市町村長も申し立てることができます。
市町村長が申し立てるのは、通常、本人に身寄りがない場合ですが、身寄りがない場合に限りません。
家庭裁判所に申し立てる前に、どのような準備が必要ですか?
最初にかかりつけの主治医に本人の判断能力の程度を診断してもらいましょう。主治医がいないとか、診断できないときには精神科の医師に診てもらいましょう。
判断能力が全くないと診断された場合には成年後見人を選任してもらうよう申し立てましょう。判断能力が特に不十分と診断された場合には保佐人を、判断能力が不十分と診断された場合には補助人を選任してもらうよう申立てましょう。
申立書に添付する必要がありますので、必ず診断して頂いた医師に「判断能力判定についての意見」の入った診断書を作成してもらいましょう。あわせて、家庭裁判所での精神鑑定を引き受けてくれるか確かめて下さい。
申立前に誰が成年後見人などになるのか、あらかじめ候補者を決めておきましょう。
判断能力が全くないと診断された場合には成年後見人を選任してもらうよう申し立てましょう。判断能力が特に不十分と診断された場合には保佐人を、判断能力が不十分と診断された場合には補助人を選任してもらうよう申立てましょう。
申立書に添付する必要がありますので、必ず診断して頂いた医師に「判断能力判定についての意見」の入った診断書を作成してもらいましょう。あわせて、家庭裁判所での精神鑑定を引き受けてくれるか確かめて下さい。
申立前に誰が成年後見人などになるのか、あらかじめ候補者を決めておきましょう。
申立後の手続はどのように進められるのですか?
家庭裁判所では次のような手順で進められます。
- 最初に家庭裁判所の調査官が、申し立てた動機や本人に関する事項、成年後見人などの候補者に関する事項などについて調査します。
- その後、本人の精神状態について精神鑑定が行われます。精神鑑定のため、10万円程度の鑑定費用を予め納める必要があります。
但し、補助人の選任の場合、精神鑑定を行わないことがあります。
診断書を書いて頂いた医師から鑑定書の作成の承諾を得ておくと手続が円滑に進みます。 - 調査官の調査や精神鑑定を踏まえて、家庭裁判所が審判で成年後見人などを選任します。
- 成年後見人などが選ばれますと、本人や成年後見人などに通知され、登記簿に登記されます。
申立から成年後見人などの選任まで、早くても約1〜2か月かかります。
どのような人が成年後見人などに選ばれるのですか?
親族が選ばれる場合が多いですが、弁護士などが選任されることもあります。通常申し立てのときに候補者を立てます。
選ばれた成年後見人が注意しなければならないことがありますか?
成年後見人は、定期的に本人の財産状況及び収支計算書を家庭裁判所に報告する必要がありますし、居住用財産の処分には家庭裁判所の許可を得なければなりません。